2019年1月27日、はぐっと!プリキュアが放送されました。今回のシリーズは子育てからはじまり、男のプリキュアが登場。48話では全人類プリキュア化が起こり、最終話ははぐたんが未来に帰ったり、キュアエール(はなちゃん)が出産したりと、多様性のあり方について考えさせられるシリーズでしたね。
今回のプリキュアシリーズに隠されたメッセージを私の目線でまとめます。
この記事の目次
はぐっと!プリキュア、最終回の内容は?
みんながプリキュア!全人類総プリキュア化!
最終回でしっかり納得できた😭
「こうであるべき論」がまったくない。
パパもママも女の子も男の子も街の人も、みんなが主人公なんだな〜って思えた。キュアエールの出産シーン、生まれた日のことを話すきっかけになればいいね!#はぐっとプリキュア https://t.co/khPmNYhnp0
— ボーボーママ@在宅ワーカー (@bowbow_mama) 2019年1月27日
※ネタバレ要素を含むので、まだご覧になっていない方はご注意ください。
第49話「輝く未来を抱きしめて」
みんなの時間が進み出し、未来を守ったプリキュア。はぐくみ市にも平和な日常が訪れます。
しかし、未来からやってきた、はぐたん・ルールー・ハリーとのお別れがやってきました。また出会えることを信じて、涙の別れを迎えます。
それから月日は流れ、数年後。主人公のキュアエール(はな)が、妊娠して子どもを出産。その赤ちゃんは可愛い女の子。キュアエールは女の子に「はぐみ(はぐたん)」と名付けます。
ここは私の憶測ですが、未来からやってきたはぐたんは、キュアエールの赤ちゃんだった・・・ということなのかなと。
HUGっと!プリキュアが私たちに教えてくれた『輝く未来』とは?
今回のプリキュアは、今を生きる子ども。そして私たち大人にたくさんのことを教えてくれました。
- みんなで子育てをするシーン
- 男の子のプリキュアが登場
- 街中の人がプリキュアになる
- 主人公の妊娠、出産
など、印象的な展開がたくさんありましたよね。
最終話の出産シーンはかなりリアルで、思わず涙が出ました。
はぐっと!では、「輝く未来を抱きしめて!!」が決め台詞ですが、ここでいう『輝く未来』は、以下のような未来をさしているのでは?と。
輝く未来(1)何者にもならなくていい。自分らしさを大切にできる未来
小さい頃からアニメの主人公って『選ばれし者』というイメージがあったんです。
「何者かにならなければいけない」「何かを達成しなければならない」。
子どもの頃、アニメをみてなんとなく芽生えた『選ばれし者』への漠然としたコンプレックスは、大人になるにつれ肥大化していくこともあるんですよね。
けれどいろんな生き方、いろんな環境の中、自分の人生は紛れもなく自分が主人公。
はぐっと!プリキュアでは、アンドロイドも男の子もおばあちゃんもおじいちゃんもプリキュアになれましたよね。「何者になる必要もなく、自分らしく生きていけばいい。」そんなメッセージだなと感じたのです。
輝く未来(2)「こうあるべき」なんて、信じなくてもいい。
「男の子だからピンク色の服を着てはいけない」「女の子だから女の子らしくしなさい」
私たちの世界には、根拠なき「●●だから」が溢れています。
はぐっと!プリキュア19話では、キュアマシェリ(愛崎えみる)の兄、愛崎正人の『性別に対する意識、フラストレーション』が生み出した怪物が登場し、キュアエールが「男の子だって、お姫様になれる!」と叫びました。
女の子でも、ヒーロになれるし、男の子でもお姫様になれる。性別役割にとらわれず、自分の好き、らしさを大切にしてもいい。そんな気づきがありました。
実は私も、プリキュアは女の子向けのアニメと思っていたんですよね。たしかに女の子向けではあるのですが、とくに小さい頃は「男の子は仮面ライダー、女の子はセーラームーンじゃないとダメ!」くらいに思っていました。
性別だけでなく、ママだから、パパだから、おばあちゃんだから、おじいちゃんだから、社会人だから、●歳だから。私たちの世界には根拠のない「こうあるべき」が溢れているのです。
しかし、HUGっと!プリキュアは、心の中で無意識のうちに植えつけられた「こうあるべき」を優しくほどいてくれました。
輝く未来(3)ひとりで答えを見つけようとしなくていいんだよ
この部分は私の憶測なのですが、未来からきた赤ちゃん、はぐたんは主人公キュアエールの将来の子どもと考えるならば、私たち大人へのメッセージが込められていると思います。
たとえば子どもの頃、もやもや悩んでいたこと。
なんとなくスッキリしない心。
その答えは大人になっても見つからず、たまに落ち込んでしまうことってありませんか?
キュアエールにとって、はぐたんとの別れは悲しかったはず。努力だけで未来からきたはぐたんを連れ戻すことはできません。
キュアエールとはぐたんの再会が、悩みの『答え』とたとえるなら、キュアエールの悩みの答えは、自分の中ではなく、周りの出会いがもっていたということ。(語彙力・・・)
たとえば大きくなって子どもができたとき。大人になって年下の子と話したとき。
不意な瞬間、何十年も悩んでいた『答え』が見つかるときってありませんか?
それって自分が考え抜いたとかではなく、誰かが教えてくれた『答え』なんですよね。
老若男女とわず、いろんな悩みがあると思うけれど、自分の努力次第で解決できるとは限らない。けれど誰かとの出会いの中で答えは見つかるんだよ。そんなメッセージに感じました。
【新シリーズ】スタートゥインクルプリキュアのテーマは?
はぐプリ最終回に伴い、2月3日から放送がスタートするプリキュア新シリーズ『スタートゥインクルプリキュア』のテーマは宇宙と星座。
ABCアニメーション・田中プロデューサーは、20周年を目指し新しいチャレンジへ取り組むため、宇宙・星座を選んだと語ります。
広大な世界へのワクワク・ドキドキ、キラッと輝く星々への憧れ、自分とは違うものとの出会いなど、今ある環境から一歩踏み出した世界と捉えています。こどもたちが成長と共に自分の世界を広げていくように、主人公たちが成長していく場所として、「宇宙」を今作の舞台として設定しました。
また「星座」は、「宇宙」という無限の可能性に対して、想像力だけを頼りに自分を形づくっていくもの、イメージを思い描いていく行為と捉えています。今作の主人公たちは未知なるものへの出会いや冒険を通じて、自分らしさや自分のこれからを描いていくことになります。
また、「《宇宙人》は「未知・多様性」の象徴です」という東映アニメーションプロデューサー柳川あかりさんは、
最初は地球にやってきたララという宇宙人を通して、異質な文化・価値観に触れます。(中略)
時に私たちは「未知の世界」「自分と違う存在」に対して不安や恐れを抱きます。しかし、ひかるは持ち前の好奇心で「わからない」状態から一歩踏み出し、価値観の違い、文化の壁、種族の垣根さえも想像力の翼で飛び越えていきます。自らの感性を大切にし、揺るがない信念を持っているところがひかるの魅力であり強みです。育った環境も性格も全然違うけれど、だからと言ってプリキュアになれないなんてことはありません。豊かなイマジネーションで物事に向き合い、自分の目で確かめ、自分の頭で考え、自分で判断することの大切さ。そして、広い世界には多種多様な価値観があることを知り、違いを楽しみながら、自ら星のように輝く(=スター☆トゥインクル)プリキュアたちの姿を描いていきます!”
と、新シリーズへの思いを語りました。
多様性の溢れる未来を抱きしめよう。
私は今『多様性溢れる社会』の過渡期にいると思っています。
しかし、すべての人が多様性を認め合い、受け入れる。これってカンタンそうで難しいんですよね。なぜなら「当たり前」の中に、否定する姿勢が残っているから。
アニメであったり、学校であったり、会社であったり。今までの「当たり前」の中に、こうあるべきが刷り込まれているのです。
けれど、受け入れられないから悪いってわけではありません。今は受け入れられなくても、(そもそも、否定していることに気が付いていないケースがほとんど)少しずつ受け入れられる未来をつくっていけばいいだけですから。
私たちが生活の中で感じている「●●だから」「こうあるべき」へのコンプレックス、子どもの時代まで残したくないと思っています。
HUGっと!プリキュアは、「未来を抱きしめる(HUG)」とともに、「未来を育んでいく」というメッセージが隠されているのでしょう。
多様性溢れる未来を抱きしめるきっかけとなった作品でした。輝く未来とは、自分らしさを大切にできて、尊重できる未来なのでは?
ありがとう、プリキュア!!