小学生の頃、将来の夢は漫画家でした。みなさん、漫画はお好きでしょうか?
「好きだけど、王道漫画じゃない個性的な作品が読みたい!」
「誰も知らないようなコアでマイナーな漫画が知りたい」
「少女漫画・少年漫画は飽きてしまった……」
そんなサブカルチャー好きなあなたに、元(?)アングラサブカル好きの私が隠れた名作をランキング形式で紹介します。
ワンピースや進撃の巨人、スラムダンクも面白いけど、独特の世界観がクセになるサブカル系・マイナー系漫画を一挙公開!
【随時更新】不思議な世界!アングラな雰囲気が漂うおすすめマイナー漫画10選
<ちょっと病んでる恋愛>南瓜とマヨネーズ/魚喃キリコ
わたしたちのこのありふれた平凡は本当はとてもこわれやすくてなくさないことは奇跡。
1998年から『CUTiE Comic』で連載された魚喃キリコの恋愛漫画。
夢追い虫のバンドマン・せいいちを同性するツチダ。
昔好きだったハギオへ揺れ動く想いと葛藤を痛々しく描いた一作。
連載していた媒体は、当時、女性のファッション雑誌として高い支持を得ていた雑誌『CUTiE』から派生したこともあり、ストーリーだけじゃなく、作風全体にリアルなセンスがぎゅっと詰まっています。
臼田あさ美、太賀、オダギリジョー出演の元、2017年に映画化しました。
少女漫画が苦手な人も詩集感覚ですらすら読めると思います。
<痛烈トリップ漫画>ウルトラヘヴン/小池桂一
様々なドラッグにより手軽に気分がコントロールできるようになる近未来。自暴自棄な状況で不思議な売人と出会った主人公”カブ”の物語。
引用:Amazon
薬物が合法となった時代。摩訶不思議の精神体験が誰でもできるようになり、その傍ら、薬物中毒になっていく人々が増える世界。
潜在意識の拡張、トリップ体験の描写、そして『世界は認識でできているのでは?』という思考を、史上最年少で手塚賞に選ばれた小池桂一先生が独特の感覚で表現しています。
ストーリー性も圧巻なんですが、構図が凄まじい!!!
ちなみに、3~4年に1回、新刊が出ていたんですが、2009年に3巻が発刊されて依頼、続編が出ていません。
女子高生のときから続編を待ちわびていますが、全然出てこない……!謎。
<破天荒な漫画>ボーダー~迷走王~/狩撫麻礼
時代はバブル景気のど真ん中。
どんな人でも金を持ち、眠らない繁華街で賑わう日々。
そんな時代に家賃3000円、共同トイレのオンボロアパートに住む男、蜂須賀。
簡単にいえばニートなんだけど、「現代社会に蔓延る『集団意識』は悪魔だ!」という信念(?)を元に世を歩く、古き良き時代の男によるストーリー。
不器用な男の破天荒な生き様と思いきや、社会風刺や人生哲学もてんこ盛りでおもしろい。人生のバイブル。
1980年の漫画ですが、今こそ読むべき作品と言っても過言じゃありません。
原作者・狩撫麻礼さんの漫画は『お金じゃ買えない』をテーマにしているような作品が多いのですが、残念ながら2018年1月、お亡くなりました。
「その〈普通〉ってのがクセ者なんだ。俺たちの敵……常識と好感度がすべての“あちら側”の人間の入口が〈善意〉なんだ。地獄への道なんだよ」
すべてのモノゴトの本質は決して一つではない。
そして目に見える部分だけ判断するようなショーモナイ大人になるな。
こんなメッセージが詰まっています。
<サブカル漫画の代名詞>ぢるぢる旅行記/ねこぢる
特殊系漫画の登竜門『月刊誌ガロ』で「ねこぢるうどん」を引っさげデビューした女性漫画家・ねこぢるによる『ぢるぢる旅行記』。
残念ながら、ねこぢる氏もお亡くなりになられています。
2匹の猫?による、ちょっぴり残酷なコメディー(?)が多かったのですが、その残酷さももしかしたら子どもの心を表しているのかも。
ぢるぢる旅行記は、ねこぢる氏がインドで放浪したさいのエピソードが掲載されています。
独特なテンションで好き嫌いは分かれるけど、淡々として、どこか奇妙なテンション。私は好きです。
<奇妙だけど奥が深い>オ~イ・メメントモリ/しりあがり寿
メンタル・社会風刺を独特な視点で描き続ける漫画家、しりあがり寿。
美談で塗り固められた自己啓発本が飽和する中、善意も悪意も素直に表現している作風が大好きです。
オーイ・メメントモリは雑誌ダ・ヴィンチでの連載を一冊にまとめたもの。
しりあがり寿って誰だろう…って思っている人におすすめです。
どぎつい表現もあるけれど、とっても繊細な心をお持ちの方なんだなぁっていつも思います。
<社会風刺?>方舟(箱舟)/しりあがり寿
「滅び」は未来を思い描くことのできぬ者の上にやってくる…。
『クイック・ジャパン』に連載された異色の問題作を大幅加筆・再構成し新エピソードも加え単行本化。
一艘の方舟が紡ぎ出す、甘く美しく静かで透き通った終末世界。引用:Amazon
世界が終わりを迎える日。
あなたはどんな風に過ごしたいですか?
パニックになる街、胡散臭いビジネスに藁にもすがる思いで泣きつく人々。
世界の終わりは本当にこんな感じなんだろうなぁとちょっと怖くなるけれど、
やっぱり家族と一緒に過ごしたいなあと痛感しました。
<元祖サブカル漫画>ねじ式(つげ義春作品集)~つげ義春~
元祖・シュール漫画といえば、つげ義春先生。
メッセージがほしい人には向かないけれど、不確かな世界に魅力を感じる人におすすめです。
今でこそシュールな漫画が多いけれど、この作品が世に出回ったのは今から50年も前。
異彩を放つ、つげ義春先生の作品はぬる~いお湯に浸かって温まらないようなもどかしさがあるけれど、この脱力感・重々しさがクセになります。
ちなみにねじ式は主人公が骨折して医者を探すというなんとも奇妙な展開。
<リアルな漫画>失踪日記2(アル中病棟編)/吾妻ひでお
過度の飲酒でアルコール依存症となり、担ぎ込まれた通称『アル中病棟』。
入院してわかったお酒の怖さ。
そこで出会ったひとくせもふたくせもある患者や医者たち。
かわいくて厳しいナースたち。
そしてウソのようで本当の、驚くべきエピソードの数々。
そこから著者はいかにして、アルコール依存症から抜けだしたのか?引用:Amazon
前作となる『失踪日記』に続く、第二弾。
アル中病棟と重々しいテーマだけど、ギャグ漫画家だからこそ?軽やかに読める場面もあります。
アルコール中毒は命を脅かす病気。ときには誰かのことを傷つけることも。
アル中ってどんな病気なんだろう?と思っている人より、アル中を治したいけど、本当に治るんだろうか?と思っている人向けかも。
<70年代の名作>サバイバル/さいとうたかを
1970年代、『週刊少年サンデー』で連載された作品。
地殻変動によって発生した巨大地震で生き残った主人公が、て生き残った少年・鈴木サトルが壮絶な環境を生き抜いていくお話です。
その名の通り、サバイバイル!!
実際にサバイブしなくちゃってなったときに活用できる豆知識もあって、アウトドアに興味がある人にもおすすめ。
現代社会における問題も考えさせられます。
<元祖メンヘラ漫画>花咲ける孤独/山田花子
こじらせ系女子という言葉が生まれる前、ガロで活躍していた漫画家さんです。
山田花子さんこそ、元祖こじらせ系。
同級生から酷い罵声を浴びせられ、憂鬱と孤独感を抱えながらも、心の揺れ動きをリアルに、そして繊細で正直に捉えています。
できればあまり見たくない・遭遇したくない、人間の卑しい心の部分がグッと胸を突き刺してくる作品。
「私もこんなこと思ったことがある!」と罪悪感を抱くような『わいた感情』に優しく寄り添ってくれます。
サブカル系漫画のおすすめランキング(超個人的)
さいごに個人的なランキングを発表します✨
文学的漫画と破天荒漫画の部門にわけてみました(超独断と偏見ですw)
考えさせられる!文学的な人におすすめな漫画ランキング
破天荒に人生を歩みたい人におすすめな漫画ランキング
- ボーダー vol.2―迷走王 (双葉文庫 た 33-2 名作シリーズ)
- サバイバル―ワイド版 (1) (SPコミックス)
- ぢるぢる旅行記 (インド編) (Bunkasha comics―Manga Aloha! series)
まとめ
「ちょっとアングラな漫画とか、変な漫画読みたいなぁ~」っていう人は、青林工藝舎の『月刊誌ガロ』で活躍していた漫画家さんをチェックしてみてください。
廃刊になっている月刊誌ですが、古本屋とか、Amazonで購入できますし、ちょっと異質な雰囲気が漂う漫画家さんばかり。
また事実的な後続誌となる『アックス』も面白いですよ!