TOKIOの山口達也メンバーが、未成年に強制わいせつ容疑で警視庁に書類送検された事件はご存知だと思います。
そんな事件の中で、浮上した『アルコール依存症』の疑惑。
事件に限って着目すると、気になる点はたくさんあるし、
被害に遭われた女性がどんな気持ちで助けを求めたのか、想像しただけで胸がギュッと苦しくなるけれど
ここでは『アルコール依存症』に焦点をあてて、いろんな人に知ってほしいなって思うことをまとめてみました。
TOKIOの会見を見て、私は痛感したんです。
アルコール依存症は愛だけでは治らないことを。
アルコール依存症は家族や仲間の支えだけでは治らない。
と、いうのも……私のおじいちゃんも典型的なアルコール依存症。
同居ではないものの、目と鼻の先の距離に住むおじいちゃんは、酔っ払うととにかく難癖が悪くなって…
川に落ちて助けてもらった人に暴言を吐いたり、
家族がお酒を買いに行かないといえば、杖で叩いたりと……
(※ショッキングなエピソードはたくさんあるけど、自粛します)
なかなかのアルコール中毒ぷっりでした。でしたというか、現在進行形です。
私が小学生の頃から悪化して、
社会人になって、結婚した現在まで、ずっとアルコール依存症の症状はあって、静かに悪化しているなという印象だったんです。
アルコール依存症患者は『普段はいい人』が多い。
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今回の事件、かなりショッキングだった。
私はTOKIOのファンというわけではないけれど、
いろんなTV番組で、「良い人そう」な印象があったから。(某番組では、面倒見のいいお兄さんみたいなポジションだったと思うし…)
きっと、たくさんの人がそういう印象を抱いていたと思います。
彼がアルコール依存症かどうかは定かでないけれど、
少なくとも、私のおじいちゃんは『普段はいい人』なんです。
でも、その『普段はいい人』っていうポイントが最大の難点であって、
「普段はいい人なんだけど…お酒を飲むと無茶をする
でも、普段はいい人だし、お酒を飲んだときだけだから…」
なんて、気持ちこそが、アルコール依存症の治療を妨げているのかもしれない。
TOKIOメンバーの涙を見て、そう思いました。
なぜかって、私のおじいちゃんもそうだから。
おじいちゃんにとって初孫の私は、本やマンガいっぱい買ってもらったし
中学生のときは、芥川全集を貸してくれた。
ちょっぴり文学的なおじいちゃん。
でも『普段はいい人』だから…と、腹をくくったような行動はしなかったんです。
きっと、親族みんな、そう。
おじいちゃんアル中疑惑から、10年以上が経過した今。
おばあちゃんは、おじいちゃんと距離を置くようになりました。
最初はおじいちゃんがちゃんと生活できているか不安だったみたいだけど…
今では長年悩んでいた、不眠もちょっぴり解消したようです。
(酔っ払ったおじいちゃんが何をするかわからなかったから、熟睡できなかったんだと思う。)
まとめ.もしかして?と思ったら、勇気を振り絞る。それが愛なのかもしれない。
でも、この数十年。
おばあちゃんが、飲んでないときは良い人だから…と思って支えてきたこと。
おじいちゃんの酒乱に付き合ってきたこと。
その苦労を考えると……
やっぱりアルコール依存症は「愛情だけでなんとかなる問題じゃない」と改めて痛感しました。
TOKIOに投影すると、じゃあ、アルコールのせいにしていいのか!?ってなるかもしれない。
けれど私がこのブログで伝えたいのは、ただ一点です。
『アル中っぽいけれど、普段は良い人だし』と甘んじないでほしいってこと。
酔っ払っていたからといって、未成年に乱暴したことは許されることではありません。
山口氏がアルコール依存症なのかも定かではありません。
けれども私は思うんです。
『普段は良いやつなのに……』
『根は真面目なんだけど……』
そんな気持ちで、身近な誰かの『病状』を見過ごしてはいけないと。
そして、私の祖父は10年以上、誰かの支えがあったけれど何も変わらなかったと。
保健師さんはいいました。
「信頼できる人、家族。だからこそ、距離を置いてください。なんとかしようと思わず、医療機関で治療してください」と。
そう、それが、アルコール依存症だからです。
支えるのが愛、寄り添うのが愛、助けるのが愛。
愛には、そういった『善意』がつきまとう印象だけれども、
私の体験談からいえることは、ただひとつ。
アルコール依存症は愛だけでなんとかなる病気ではないんです。